八幡平ヒルクライムの舞台、八幡平。

岩手と秋田の県境に位置し、野性味あふれる山岳エリアだ。
春は雪解けの興奮、夏は緑と花々の豪華なショー。秋には森が衣替えして、紅葉の波が色鮮やかに舞い踊る。そして冬は樹氷の幻想と雪の回廊が、訪れた者を魅了する。
温泉の湯に身を浸し自然のエネルギーを感じる。その後は山の恵みを味わい尽くす。地酒や地ビールと共に、八幡平の美味を体の中で踊らせる。

この八幡平にヒルクライムは真正面から向き合うのだ。相棒の自転車と共に坂を駆け上がっていく。孤独な坂道、ただひとり自分と向き合う。あるいは仲間たちと共にゴールを目指す。雨の中を行く。風を切って進む。肺が燃え、脚が悲鳴をあげる。折れそうになった心を支えるのは地元、八幡平の人々の心からの歓声、雄大な景色だ。

汗と情熱をすべてぶちまけて、両手を天高く突き上げゴールラインを駆け抜ける。
何のために登るのか。そんな事どうだっていいだろう、と言っているかのように、心地良い秋風は、君を迎えてくれる事だろう。

八幡平ヒルクライムのスタートライン。そこは八幡平を体の底から楽しみ尽くす覚悟を決めた者たちだけが立つことを許される「約束の場所」なのだ。

さあ、戦いの幕が、今、上がる。

八幡平ヒルクライムの舞台、八幡平。

written by Show Sasaki@MED